佐渡テレビジョン

新春俳句 ~一般の部~

山本 修巳 選  応募総数 257句

特  選 佐渡市長賞

朱鷺羽撃つ 空より年の立ちにけり  山城 やえ (千種)

準特選

又しても 小町の歌留多先どりす   鶴間 トリ (徳和)

準特選

賀状書く 先づは卒寿の恩師へと   渡辺 敏雄 (畑野)

秀   逸

注連縄の 幣の真白や大鳥居      保科 ひろし  (畑野)

子等の手を 叩き本気の歌留多とり   高埜 健蔵   (滝脇)

出港の 舳先恵方へ廻しけり      山城 やえ   (千種)

仰ぎみる 天狗の面に淑気かな     滝口 たづ   (四日町)

雲裂けて 沖朱鷺いろの初明り     桃井 三郎   (小木町)

離れ住む 二歳児よりの御慶かな    中野 晴代   (長石)

フルーツの 並ぶごとくに春着の子   藤原 宣子   (両津夷)

初春や 遙かに遠き下駄の音      井坂 儀一   (橘)

七草や 休耕田に芹見つけ       伊藤 英子   (宮川)

国道を 過る狸や大晦日        嵯峨谷 正敏  (中興)

佳  作

二音にて はじき取られし歌留多かな  藤原 宣子 (両津夷)

家中の 眼あつめて歌留多とり     高埜健蔵 (滝脇)

舟玉の 膳に初日の輝ける       渡部栄 (千種)

齢また靜かに重ね 初鏡        保科 ひろし (畑野)

老友の 賀状を埋めし国訛       影山 次晴 (下新穂)

初笑ひ 心の鏡中にあり        北見 芳江 (吾潟)

氏神の おはす彫刻初明り       北見 芳江 (吾潟)

大寒波 欠航のまま年明くる      嵯峨谷 正敏 (中興)

蜑村の 秘仏なる巌初観音       中川 紀元 (両津夷)

食べきれぬ 餅をしづめて寒の水    井又 房江 (貝塚)

初詣 子の二の腕を貸りながら     中川 ミキヨ (宮川)

初みくじ 金運ありと言ふてもや    中川 ミキヨ (宮川)

春の朱鷺 琥珀色にて麗しき     畠野 かつじ (羽茂上山田)

注連飾揺する ジェットフォイルの操舵室  山崎 ミツエ (千種)

生き足りて 頂戴したりお年玉    佐藤 喜寿 (岩首)

白檀の 香焚き四囲の淑気満つ    本間 道子 (相川下戸村)

左義長や 焙るするめのくるくると  本間 道子 (相川下戸村)

ポケットの 深きに秘めし初みくじ  石塚 サワ (徳和)

春炬燵 姉のくりごと聞くことに   丸山 和子 (小木町)

隙間風 上座下座もなかりけり    丸山 和子 (小木町)

初凧を 借景として三世代      藤井 淑 (小木町)

寒菊の 香の馥郁と兄の墓      中川 チヨノ (小比叡)

初暦 留守の部屋にも飾りをり    金子 敏子 (羽茂村山)

春色の 傘をかしげて日本髪     細野 冨貴子 (筵場)

夫逝きて ありし日つなぐのっぺ汁  石塚 サワ (徳和)

メールにて 子の新年は遠かりき   清水 勝昭 (小木町)

初売りの 満杯なりし駐車場     中野 晴代 (長石)

孫の目の まだ見えぬ目や初あかり  浜田 完三 (高千)

読初や 友のエッセイ「今日一日 」   滝口 たづ (四日町)

旭日差す 爼始めも至福かな     藤井 淑 (小木町)

【選 評】

新春の俳句は、明るく、楽しく、家族愛が感じられます。
また景色も美しく、特選は新年と朱鷺を詠んで見事です。ただ、詠みたいと思う対象が同じようなところになりますので似たような俳句になって、自分だけの見方が弱くなってしまいます。なるべく自分の目のつけどころが、しっかり表現されている俳句を選びました。家族のことを詠むのは、かえってむずかしいと思います。