新春短歌 ~一般の部~
福嶋 徹夫 選 応募総数 115首
特 選 新潟日報社賞
初空を截りて翔びたつ朱鷺二羽の
二〇一〇年育むごとし 保科 ひろし (畑野)
準特選
みどり児に初春の陽のやはらかし
二十二世紀までも覗る瞳に 渡辺 敏雄 (畑野)
準特選
恒例の箱根駅伝見せむとて
夫の遺影をテレビに向けぬ 石川 幸 (城腰)
秀 逸
千年の杉の社にぬかづきて
四代揃ふ感謝の祷り 北見 芳江 (吾潟)
納屋なかに亡き父偲び注連を綯ふ
頬被りして父の顔して 高埜 健蔵 (滝脇)
来る年も良きこと願い供え餅
丸めることも老いの倖せ 長野 完二 (大和)
母となりし娘の祈り長きかな
初日差しくる古里の宮 中川 ミキヨ(宮川)
吾が介護の老母と二人の正月ぞ
御飯に味噌汁我が家のお節 中川 宏之(赤泊)
産土の初神酒拝みて飲み干せり
寝たきりの父面改めて 渡辺 和弘(両津夷)
若水をつるべに汲めばあふれ落つ
井戸に響ける水音澄めり 土屋 弘治(千種)
佳 作さり気ない夫の一言身に沁みる |
人の前つくろい話す吾の日日 | |||||
【選 評】
〝特選〟は朱鷺二羽の飛翔に『二〇一〇年育む如し』と素直に夢を托したのが佳い。準特選の二首も「みどり児の瞳」を「二十二世紀を視る」『瞳』と認識する〝詩眼〟の鋭さが快く、また新年の「箱根駅伝」を遺影の夫に見せむとする「心遣い」が身に沁み入る佳吟である。続く「秀歌」七首も、それぞれの迎年の相が〝個性的に如実に把らえられ、沁みじみとした咏嘆となっている。
どうかこれを機会に当文芸への投稿をお願いし、選評とする。

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